神託の少女とプレイヤーキャラクター

はじめに

 初めましての方は初めまして。
 毎度お馴染みの方はありがとうございます。Re:versionです。
 今回の更新では世界観を取り巻く最も重大な情勢とプレイヤーキャラクター諸々について触れていこうと思います。
 どうぞ、宜しくお願いします!

神託の少女と空繰パンドラ

 混沌世界を俯瞰する空中庭園――天空神殿には何時からその場所に居るかも知れない少女が住んでいます。
 ざんげと名乗るこの少女は、『神託の少女』という混沌における特殊な立場を持つ存在です。
 混沌に強制召喚された(プレイヤーキャラクターの)旅人はまず最初にこの天空神殿に出現します。又、純種が特別な運命を背負う場合(純種がPCたる場合は必ず後天的にその運命を発現します)、発現した時点でやはりこの天空神殿に召喚されます。
 ざんげは少なくとも百年以上前から存在を確認されており、彼等『特別な運命を背負った人々(=プレイヤーキャラクター)』の水先案内人となります。
 ざんげは天空神殿に存在するワープポータル的な施設でその時繋がっている国々の首都の『ギルド』にプレイヤーキャラクターを運んでくれます。プレイヤーキャラクターは同じく首都のギルドから天空神殿に戻れますが、プレイヤーキャラクター以外は神殿に入る事は基本的にありません。(極稀に強制召喚の『バグ』が起きる事はあるようです)
 さて、問題は何故旅人や特別な運命を背負った純種が『神託の少女』の下に召喚されるか、です。
 混沌の神(と便宜上称します)の『お告げ』を受けたざんげは、未来時間において混沌世界が完全なる消滅を迎える事を知っています。
 この予言は絶対的なものと認識されており、本来不可避である確定的事実です。又、全ての世界を内包する混沌の消滅は他世界全ての消滅とイコールします。
 絶対的破滅確定状況――通称『観測値D』を回避する為に必要とされるのが『破滅の確定未来を覆す程の膨大な可能性を集めること』です。
 PCたる旅人、純種が背負うべき前述の『特別な運命』こそがその可能性の蒐集に必要な唯一最大の能力なのです。

特異運命座標(イレギュラーズ)

 以上を前提に置きまして、プレイヤーキャラクターはまずどういう存在なのか、という点をお伝えしたいと思います。
 プレイヤーキャラクターは極めて特別な運命を背負っています。
 プレイヤーキャラクターは『特異運命座標(イレギュラーズ)』と呼ばれる『生きている特異点(※)』なのです。
 破滅回避の為、大いなる意志に混沌に強制召喚された旅人であろうと、混沌で生まれ落ちた純種であろうと変わらず、特異運命座標たる人物は『その行動を成功させた時、新たな可能性を産出する』というプレイヤーキャラクター以外と一部ガイド用NPC以外が殆ど持ち合わせない極めて特殊な力を持っています。
 この力は非常に強大で、非常に寛容です。『良い事』であろうと『悪い事』であろうと関係はなく、プレイヤーキャラクターは何らかの行為をシナリオの基準に従って成功させた時、産出された可能性(パンドラと呼びます)の塊をざんげの持つ『空繰パンドラ』なるアイテムに集め、保存する事が出来るのです。

 破滅の回避に必要なのは『尋常でなく膨大な可能性の蒐集』。PC(あなた)を混沌に呼び出した神のオーダーはまさにそれ一つです。
 あなたを呼び出した、或いはあなたに特異運命座標なる宿命を与え給うた神(?)は腐敗した門閥貴族を誅しろとは言いません。又、弱い者の為に魔物を狩れとは言いません。
 勿論、戦争に首を突っ込めとも、海賊をしろとも、闘技場でチャンプを目指せとも、誰かと恋に落ちろとも言いません。
 ……が、あなたは何をしても(個々のシナリオの方針に沿う限りは)可能性(パンドラ)を集める事が出来ます。大局的見地で世界を救っています。望まなくても。
 それは即ちキャラクターは『元の世界に戻る為』でも『世界を破滅させない為』でも『日々の糧を得る為』でも『強さを取り戻す為』でも『取り敢えず生活する為』でも。自由な動機と、自由な方針で(シナリオの許す限りで)混沌で生活し、冒険出来る……という事です。
 ……再三強調したシナリオの基準が許す限りで、というのはゲーム的必須項ですので、混沌肯定『不在証明』の仕業と考えて下さい!

※ある基準の下、その基準が適用出来ない特例点。この場合、破滅の確定未来を覆し得る特別な人間です。
 尚、シナリオが成功すれば可能性は集まりますが、失敗すると当然減りますのでご注意下さい。シナリオ(行動)成否の基準は『そのシナリオが何を求めているか』に拠ります。シナリオ毎の設定条件に対して忠実である事がキャラクター性の自由に架される最大の制約です。(キャラ心情的に許容出来ない場合でも、そのシナリオの要求目標に対しては忠実でなければなりません。後述するギルド条約は、運命特異座標の活動を総ゆる意味で助けますが、受諾した仕事に対してのみ、絶対的な忠誠を求めます。キャラ性を優先してシナリオ目的から逸脱する、結果的に失敗に導く等状況を生じれば、ペナルティが架せられる事もあります。自分のキャラに合わない依頼を受ける時は『やむなくそれに従わざるを得ない理由付け』、『依頼条件を逸脱しない範囲で被害を減らしに来た』等の状況準備をオススメします)


 薔薇の門をくぐったら、誰も皆がお客様。
 お客様は『全力で』おもてなし致しますのが身共のマナーですの。
 ……あら? 先程のお声が気になりますの?
 大した事じゃございませんわ。どうぞゆるりと寛ぎませ。当家には『二種類のお客様』が居るだけのお話ですものね。

―――――『暗殺令嬢』リーゼロッテ・アーベントロート

ギルド条約について

 神託の少女と破滅的神託は各国・各勢力で認知されています。
 神――世界意思的なもの――やオカルトへの信仰心をどれだけ持ち合わせるか、そもそも社会的に神託を受け入れるか否かの差異がありますので、勢力毎に効果範囲は様々ですが、一応認知はされています。
 世界が滅亡しては困るのは大半の国や勢力が同じなので、混沌の国や勢力には運命特異座標達を支援し、各所での仕事をサポートする目的で結ばれたギルド条約なる協定が存在します。
 ギルド条約は特異運命座標と認定された個人や小規模組織(個人ギルド)を保護し、依頼を斡旋したり、便宜を図る目的で使われます。
 ここ十年程はざんげの知人であるというレオン・ドナーツ・バルトロメイという男が取り仕切る大規模ギルド『ローレット』が個人や小規模ギルドを取り纏めています。
 ギルド条約は特異運命座標にある意味で特権的な立場を与え、理不尽な権力や迫害から彼等を強く守ります。多少の狼藉や無作法、(社会的な)問題行為を行ったとしても、可能な範囲で助けてくれます。
 ……が、そもそも信仰心の厚い、薄い、神託を信じている、余り信じていないの勢力差異は先述の通りですので、冒険の難易度や毛色は様々になるでしょう。
 又、ギルド条約の効力でもどうしようもない行為(例えば一国の王に斬りかかる等)を働けば最悪処刑等の厳罰に処されるのは否めませんので過信は禁物です。
 何をしても大丈夫では絶対に無い、というかむしろ危ない事はしないに越した事は無いのでくれぐれも過信は禁物です。

プレイヤーキャラクターの特権

 プレイヤーキャラクターは世界観的に特別な存在となりますが、既出のものも含めて主な特徴をこの項でまとめます。

1、プレイヤーキャラクターは必ず特異運命座標の属性を持つ

 プレイヤーキャラクターはその行動の成否で可能性(パンドラ)を増減させる能力を有します。
 空中庭園にアクセスが可能であり、神託遂行の互助的取り決めであるギルド条約の恩恵を受けます。
 NPCの大半は特異運命座標の属性を持ちません。一部有している者も居ますが、少数です。

2、プレイヤーキャラクターは必ず個人リソースとしての可能性(パンドラ)を有している

 プレイヤーキャラクターはパンドラという固有数字を保有しています。パンドラは任意で使用したり、シナリオ結果で増減したりする事で変動しますが、冒険や活動を有利にする力があります。
 NPCの大半はこの要素を持ちません。
 一部有している者も居ますが、少数です。

3、プレイヤーキャラクターは必ず『ギフト』と呼ばれる特殊能力を有している

 プレイヤーキャラクターは『ギフト』と称される特殊な能力を保有しています。『ギフト』はその個人特有の特殊能力で、原則的に戦闘ルール上での活用は出来ませんが、一定の範囲(審査範囲)が許す範囲で自由に設定し、シナリオで補助的な活用をする事が出来ます。
 例えば元の世界で魔王だった旅人は『魔王の威厳を発揮し、知性の低い凶暴生物を服従せしめる可能性がある』等。
 ただしこのギフトは強力な程、発動率が下がります。確率良く使いたい場合は条件付けをきちんと行い、抑えてつくると良いでしょう。
 上記の能力で言えば『魔王の威厳を発揮し、<力が弱く>知性の低い凶暴生物を服従せしめる可能性がある』という具合です。
 根本的にギフトの範囲を超える、便利過ぎる等の場合は運営承認を得られない場合がございますので、程々程度がポイントです。
 又『ギフト』についてはNPCにも保有する個体が存在します。稀に強力なギフトを持つ個人も居ますが、非常に例外的です。

4、プレイヤーキャラクターはレベルに関わらず一目置かれる存在である

 先に説明しましたギルド条約の影響力により、プレイヤーキャラクターは社会公然と『ジョブ:救世主』の一定認知を持っています。
 レベルが1であろうとレベルが100の人間にも出来ない場合は絶対に出来ない特別な能力を持ちますので、望む望まないに関わらずある程度の特別扱いは受けます。
 神託とギルド条約の効力発揮具合によりますが、(異世界からの旅人である等の事情によって)多少社会的にまずい言動があったとしても、ある程度は許容されます。
 ただし度を過ぎた(その勢力での)反社会行為等にはリスクが生じますので、その点は注意が必要です。

おわりに

 如何だったでしょうか。
 プレイヤーキャラクターの特殊性はご理解頂けたものと思います。
 次回以降の更新では、混沌に舞い降りたキャラクターのモデルケースをプレストーリーで公開していく予定です。
 内容としては『設定を説明しながら例えばこんな感じです』的なチュートリアルになります。
 一人称視点で個人が描かれますが、シナリオ上の役割は特にありませんのであくまでモデルルーム公開みたいなものとなります。
 また、追って種族や国・勢力の紹介にも触れていこうと思います。
 種族は兎も角、混沌の国は基本的には一筋縄ではいかない連中揃いですので……お楽しみに!

 〆となりますが、本情報拡散に是非是非ご協力下さい。
 どうぞ宜しくお願いいたします!


次の記事

PRE STORY – 一章 –