勢力紹介~各国と魔種・反転~
はじめに
こんにちは、PBW運営チームRe:versionです。
今回は『Pandora Party Project』の舞台情報第四弾として、幻想、鉄帝以外の幾つかのエリアを紹介します。
内容的には先の楽しみも含めて、軽く触れる程度になりますが、キャラクター作成等の参考になれば幸いです!
天義(聖教国ネメシス)
無辜なる混沌の東部に位置する大国です。
神と呼ぶべき世界の意思、高位存在、聖なるかなをとても尊ぶ宗教国家です。
無辜なる混沌における信仰は、人間(的生物)の勢力圏にあっては余り明確な偶像化はされていません。
神託の少女なる存在が自然に受け入れられている世界なので、神様(ないしはそれに類するもの)は明確に存在すると信じられています。
天義は全ての国家勢力の中で最も信仰に厳格であり、最も信仰を重要視しています。
正義と理想を公に掲げる原理主義国家。人間種が九割型を占めています。
混沌において鉄と並ぶ軍事大国ですが、その行動論理は非常に独特なものを持っています。
彼等の正義は良く言えば理想に根差してますが、悪く言えば常に非常に独善的で、閉塞的でもあります。
その為、南に政情不安定な幻想あらば白銀の剣をもって民を解放せんとし、西に侵略国家たる鉄あらばこれを悪と断罪し……と、扱い難さたるや混沌一なのは間違いありません。『神』への信仰も非常に強く、義で神に唾吐くような言動を取れば、無事で済むかは怪しいもの。
場を非常に混沌とさせる存在であり、幻想・鉄間の情勢を一段と難しいものにしていますが、貧弱な幻想にも幻想攻略を目論む鉄にも精強な義を構う余力は薄いようです。
本拠は聖都フォン・ルーベルグ。魔種を特に不倶戴天の敵と定め、積極的な討伐を行っています。
但し彼等の断罪は多くの場合、彼等の基準と彼等の断定に根差して行われるので相手が魔種であるかどうかは定かではありません。
天義は正義の代行者を自認し、神の意思を遂行する使徒であると自称しています。些細な悪……例えば必要にかられての小さな嘘や、善意の不正、信仰を持たない人間、自身の正義に迎合しない価値観の異なる人間等、彼等にとっては全て『赦されざる悪』なのです。
その国家性から国民の多くもその偏った価値観を共有していますが、多くのシーンで見られるやり過ぎには疑問を覚える者も居ます。しかし、天義において『正義』に疑問を覚える事、疑問を口にする事はそれ自体が『悪』なので、やはりタダでは済みません。
天義きっての穏健派であり、名門貴族であったコンフィズリー家が『不正義』により没落したのは人々の記憶に新しい所です。
結果的にお互いがお互いを監視し合う宗教的ディストピアが醸造されています。まぁ、多くの国民はそれでも満足なのですが。
現国王はシェアキム・ロッド・フォン・フェネスト六世。国王の信任厚い『峻厳たる白の大壁』聖騎士団長レオパル・ド・ティゲールは傍迷惑な事に『相手の嘘に必ず気付く』という例外的に強力なギフトを有しており、傍迷惑さに拍車をかけています。
彼等は国内外問わずこの断罪活動を行う事例が多数あるので各勢力にとっては悩みの種になる事が多いようです。
天義でプレイヤーキャラクターが活動する場合、魔種との積極的な対決や悪人の断罪(但し国外活動の場合許可は無いので上手くやる必要がある)等が多くなる事でしょう。誰かの冤罪回避や正しい意味での正義遂行を期待したいならば、それ相応の立ち回りが必要になる事も。
練達(探求都市国家アデプト)
混沌南部の小島を勢力圏とする国家。
当然ながら最も弱小なる勢力ですが、或る事情から中立国家として各勢力に認知されています。
この勢力は正確には都市国家と言うべき規模であり、旅人を中心に編成されています。
練達は総ゆる世界の総ゆる文明の技術者、学者肌の人間が集う場所で『強制召喚を打ち破り、元の世界に帰還する事』を目標に日々研究に打ち込んでいます。神託に真っ向から反する為、幻想や義とは余り良好な関係とは言えませんが、各国にも練達の研究のもたらす恩恵とその目的に希望を抱いている人間も多数いる為、どの勢力からも攻撃を受けるような事はありません。
練達の主目的は『元の世界への帰還』ですが、それに到る道として神や観測値『D』を含む世界の謎の究明にも取り組んでいます。
練達の技術者が生み出す品々は生活に、時に闘争にオーパーツめいた能力を発揮する為、そういう意味でも重宝される存在です。その科学技術は現代社会を大幅に上回りSFレベルに到達する事もありますが、混沌法則により世界のバランスを著しく崩す事は出来ません。理論、技術的にそれが造れないではなく、根源的に存在しない扱いになるのですが、練達の研究者はそれで諦めるような物分りのいい性格をしていません。
元の世界への帰還と同じように、混沌法則すら打ち破らんと日々努力を続けています。
首都セフィロトの主要研究施設は『賢者の三塔』。
セフィロトはドームに覆われた未来都市の様相で、『マザー』と呼ばれる中央制御システムにより快適と安全が保たれています。
練達は『探求』のカスパール・グシュナサフ、『想像』のマッドハッター、『実践』の佐伯操、三塔主により運営されています。
その成り立ち、目的から信仰意識は皆無に等しく、むしろ神へは敵愾心を抱いているとも言えます。
練達でプレイヤーキャラクターが仕事を得ようとするならば、研究者のフィールドワークの手伝いや荒事の代理が挙げられます。
国家同士の争いに巻き込まれる可能性は低いと言えますがゼロではなく、人間(ないしは高度な知的生命体)以外の脅威も混沌には存在しているからです。(例えば大型の竜種をはじめとしたモンスターや魔種、それ等に感化された終焉の終末主義者の存在等)
海洋(ネオ・フロンティア海洋王国)
大陸東の諸島に拠点を構え、絶望の青と隣接する国家です。一番大きい中央島に首都リッツパークが存在します。
国王が君臨していますが貴族の力も強く、彼等の組織する貴族院との二頭体制。鳥種と海種が多く、その数は概ね同じですが、海種の現王と鳥種を中心にした貴族達という構図が人種事情をかなりややこしくしています。(どちらの種が王位を継ぐかで毎回かなり揉め、情勢も変わります)
近海漁業と特殊な工芸が盛んです。海洋を生かした交易で多大な利益を上げていますが、狭い国土への限界を常に感じており、極めて危険であるとされる遠洋彼方への冒険航海団を積極的に繰り出しています。新しい世界の発見と開拓を悲願としているのです。
地形条件とこれまでの経験から、他国に比して極めて優秀な航海技術を持っており、他国が近海での活動を限界とする一方で、ある程度の遠洋を航海する為の装備と技術、ノウハウを有しています。自国の位置する周辺一帯の海を領海と定義しており、無許可で通行する船舶は国軍に拿捕される事も。又、海洋の認定しない海賊団も海洋を拠点にしている事が非常に多く、彼等は王侯貴族と結び付き、個人的に利益を供与する事でパワーバランスの中を泳いでいます。(彼等は一種の私掠船のような存在であり、お互いにそういった存在を目こぼしする事で己の勢力を拡大しているのです。又、海洋においての新世界発見はキャスティングボードを握る大事の為、彼等はその為の私兵といった側面も持ち合わせています)
現国王はイザベラ・パニ・アイス女王。貴族派筆頭のソルベ・ジェラート・コンテュールと権力闘争をしています。
しかしながら、海洋の権力闘争は例えば幻想のそれとは少し異なり、もう少し気楽で穏やかなものでもあります。
彼等は中々ギスギスしており、中々仲が宜しくはありませんが、海洋という国家の大らかさは良い意味で緊張を和らげているのです。
PCが海洋で活動する場合、一般的なトラブルシューティングに加え、スポンサーの意向や依頼次第では海賊行為も可能になります。
十分な信頼を得た場合、国家的なプロジェクトである新世界探索を依頼される事も有り得るでしょう。
海賊、航海とはこの場合、厳密に言えば『空も含め海の上での活動全般』を指すものです。
『絶望の青』の向こう側。遙かなる遠洋を目指せば世界最強の海賊『偉大なるドレイク』や未知なる脅威が立ちふさがるかも知れません。
※飛行種(スカイウェザー)
部分鳥化、或いは完全鳥化、蝙蝠の羽等、飛行能力を持つ生物類の因子を強く発動させた種族タイプです。
個体によりますが知能レベルは人間種と同等のものも多く、外見が鳥獣であっても差異はありません。
テクニック面の能力に優れますが、フィジカル面の能力値は平均に劣ります。
メイキングは他要素にもよりますが、比較的自由で潰しが利きやすい能力値です。
種族特徴として『飛行』『変化』スキルを初期から必ず保有しています。
※海種(ディープシー)
水棲生物の因子を強く発動させた種族タイプです。
個体によりますが知能レベルは人間種と同等のものも多く、外見がどうあっても差異はありません。
メンタル面の能力に優れますが、キャパシティ面の能力値は平均に劣ります。
種族スキルが二枠共非戦闘スキルに配置されている為、戦闘スキルの構築幅が広いのが特徴です。
種族特徴として『水中適正』『変化』スキルを初期から必ず保有しています。
傭兵(ラサ傭兵商会連合)
平素は何処の勢力にも与せず、依頼を受ける事でスタンスを変える傭兵国家。
力のある商人(商会)と傭兵団が結びつく事で共同体を形成した連合体です。
大陸中央部の砂漠地帯を根城としており、砂漠のオアシスたる首都ネフェルストはその美しさから夢の都とも称されます。
人間種及び獣種で大半を占めますが、深緑と隣接し、交流もある為、幻想種も多少見られるようです。
自由を愛する気候風土が強く、何かに縛られる事を嫌うのは国民も国家も同じです。
(国家としての)依頼の受諾は案件単位ですが、契約に違反する事は決してありません。場合によっては敵にも味方にもなるこの勢力が滅ぼされない理由は、偏にこの勢力自体が戦闘力面でかなり厄介な存在だからという点に尽きるでしょう。
公的には王に類する存在は居ません。有力傭兵団長による多頭合議制を敷いていますが、実質の指導者は『赤犬の群れ』のディルクという男です。
他に有力な人物は獣種傭兵団『凶(マガキ)』のハウザー・ヤーク、幻想種傭兵団『レナヴィスカ』のイルナス・フィンナ等。
有力商人ファレン・アル・パレスト、フィオナ・イル・パレスト等は経済的な基盤を支える存在です。
地獄の沙汰も金次第。信仰心は個人次第、まちまちで国家としてのカラーは希薄です。
傭兵でPCが活動を行う場合、戦争関係の案件か、日常的に舞い込む個人傭兵依頼、冒険等が中心になるでしょう。
実戦に強いのは言わずもがな、商人の立場も強く、大陸中央の地の利を生かした交易国家としての顔も持ち、サンド・バザールと呼ばれる大規模市は曰くつきの品からガラクタ、盗品までもが集まる世界最大の闇市として認知されています。
幻想は上得意。交渉下手な鉄の苦戦の一因でもあります。
※獣種(ブルーブラッド)
部分獣化、或いは完全獣化等、獣類の因子を強く発動させた種族タイプです。
個体によりますが知能レベルは人間種と同等のものも多く、外見が獣であっても差異はありません。
フィジカル面の能力に優れますが、メンタル面の能力値は平均に劣ります。
やや前衛寄りですが、敏捷系能力が高い為、様々なメイキングに適します。
種族特徴として『超反射神経』『変化』スキルを初期から必ず保有しています。
深緑(アルティオ=エルム)
自然と一体化する事でより高度に世界と結び付き、独自の文化、魔術的繁栄を遂げた幻想種達の国です。
大陸西部の迷宮森林が彼等の領域であり、信仰的価値と首都的意味を持つ大樹ファルカウを中心地としています。
深緑を構成する種族は殆どが幻想種であり、異種は余り歓迎されていません。(幻想種自体が穏和であり、好戦的な性質を持たない為、完全に排他的という訳ではありませんが、彼等にとって重要な価値観とルールを軽んじればその限りではありません)
他国に対しては余り積極的交流を持ちませんが、百数十年前から隣接する傭兵とは繋がりを持っており、緩やかな同盟関係と言える良好な関係を保っています。
文化、価値観的に他国と隔絶した所がある為、信頼した少数の異種族に教えを乞う事も(知識を授ける事も)あります。
国という勢力を構築してはいますが、縦の繋がりは比較的緩く、規模の大きな村といった風。大樹ファルカウは街をそのまま一つ飲み込める程の大きさを持つ始祖の霊樹であり、幻想種は古い時代にファルカウから生まれ落ちたものとする伝説があるようです。
ファルカウの内部には多層構造に及ぶ首都が広がっており、さながらそれは塔のように積み重なった村々です。
指導者はリュミエ・フル・フォーレという幻想種です。
長い紫色の髪をした女性で、混沌有数の大魔道。白と黒の大仰なローブに、金色に赤い宝石を嵌めたサークレットを額に付けています。
美しく凛としていて泰然。年齢不詳ですが、混沌における大多数の存在よりも長命であると考えられています。
深緑でPCが活動を行う場合、森を荒らす不埒者を追い払う他、使者として外部交渉に赴く等の依頼が考えられます。
迷宮森林の中には旧時代の遺跡が多数確認されており、同時に手つかずのままになっています。
彼等の信頼を十分に勝ち取れば、それ等を与えられる事もあるのかも知れません。
※幻想種(ハーモニア)
世界の根源に近いともされる人型の種族タイプで精霊のような存在で、必ず長い耳を有しています。
一般的に非常に長命で老化はするが非常に緩やかです。
比較的穏和な個体が多いですが、自然と調和したその価値観や文化は他種族と一線を画す場合があります。
メンタル、テクニック両面の能力に優れるが、フィジカル的にはかなり脆弱。後衛的なメイキングがしやすい能力値です。
種族特徴として『マナプール』『自然会話』スキルを初期から必ず保有しています。
覇竜(覇竜領域デザストル)
大陸南方の山脈に拠点を置く竜種の領域。国というよりは棲家といった方が適切ですが。
亜竜種とは土台存在の異なる上位竜種が多数観測されており、彼等を除く混沌の生命体は進んでこの山脈には近付かない。
竜は自身の認めた勇者にのみ力を貸すとされていますが、実際の所その観測例は殆どありません。
伝説や記録には極々稀に亜竜種ならぬ竜を従えた勇者の存在は記録されていますが、実際の所それが可能であるかどうかは定かではなく夢物語です。
※亜竜種(ドラゴニア)
竜の因子を発現した者の中で比較的小型で純度の低いものを指します。
小型の竜から、部分的に竜化要素を持つ人型の個体まで様々です。
幾らかの近似性は見られますが、竜種とは生命体として全くの別物であり、その能力は非常に限定的です。
ゲーム開始時点でプレイヤーキャラクターとして作成する事は出来ません。
終焉(ラスト・ラスト)
魔種と呼ばれる極めて特殊な存在と、彼等に影響を受けた旅人(破滅主義者)で構成された国家とも呼べない勢力です。
一言で言えば神託の予期した破滅を真に望む存在であり、その為に暗躍していると言えます。
『七つの大罪』と呼ばれる特に強力な個体が存在するともされていますが、真偽は定かではありません。
各国都市部や村々、国の支配の強く及ばない辺境、時にはダンジョンの中等、影のようにいたる所に潜んでいます。
魔種は純種が反転、変化した存在です。
魔種は大いなる狂気を抱いており、関わる相手にその狂気を伝播させる事が出来ます。強力な魔種程、その能力が強く、魔種から及ぼされるその影響は『原罪の呼び声(クリミナル・オファー)』と定義されており、堕落への誘惑として忌避されています。魔種は通常の純種を大きく凌駕する能力を持っており、通常の純種が『呼び声』なる切っ掛けを肯定した時、変化するものとされています。
魔種はイレギュラーズと似た能力を持ち、自身の行動によって『滅びのアーク』に可能性を蓄積してしまうのです。(『滅びのアーク』は『空繰パンドラ』と逆の効果を発生させる神器です)
世界の西端、影の領域に本拠があるともされますが、戻ってきた人間が居ない為に不明瞭です。
魔種の発端を含めた多くは謎に包まれたままですが、一説には原始の魔種が王として君臨しているという説もあります。
現世界観・そして滅亡回避における明確な敵である事は疑う余地もありませんが、魔種は(滅びの目的は別にして)実は別段神に敵対的という訳では無いようです。
皮肉な話ですが、彼等は彼等で神なる高位意思の存在を認めていますし、それ自体を害する事が目的ではないようなのです。
※魔種(デモニア)
イレギュラーズにとってはまず間違いなく倒すべき敵です。
彼等の存在は無辜なる混沌を歪め、大きな不幸と混乱を招き、空繰パンドラの可能性を減じ、滅びのアークの可能性を高めます。
その上、魔種は先述の『原罪の呼び声(クリミナル・オファー)』によって周囲に狂気を伝播させます。
世界を救済するという目的にしろ、人々の暮らしを守るという目的にしろ、魔種の存在は魔種以外に益しません。
魔種は『反転現象』から生まれるとされていますが、それを生じるのは純種だけです。旅人は狂気の影響を受ける事はありますが、現在まで魔種化したという報告はありません。
反転現象の発生は純種である限り、イレギュラーズであるかないかは関係ありません。プレイヤーキャラクターが万が一『原罪の呼び声』を受けた場合は……?
おわりに
無辜なる混沌の各国を駆け足ながら紹介出来たかと思います。
詳細については今回の説明は行いませんでしたが、本編で何れ関わってくる場所なので是非楽しみにお待ち頂ければ幸いです。
イラストセキュリティが自由で設定幅が広い『旅人』に対して、純種の特殊性が何処にあるかの記事でもありました。
ゲーム的には『魔種』に負けると大幅にパンドラが減少したり、『滅びのアーク』の力が増したりするので注意が必要です。
勢力紹介の記事は本記事が最後となりますが、諸々の発信を今後共お楽しみに!